14🦋 その11 私の生い立ち・人生 〜不眠症と睡眠への恐怖〜
自分でも、訳がわからなかった。
なんで今自分はこんな風になっているんだろうか。自殺を図ったあとは親友と彼に精神的に支えられ、どうにか自分を保っていた。もう死のうとしたりはしないと、親友と約束した。
でも、母との悩みが膨らむばかりだった。
嫌になってくると、自然と死にたいと思う思考回路が出来上がっていたが、それをとにかく振り払って、死んではいけないのだと強く心に思った。
自殺を図ってから数日経つと、自分のしたことが空恐ろしくなった。
踏切の上に立つ自分も、ビルの階段に立ち地面を眺める自分も、微塵の恐怖も感じてはいなかった。ただひたすらに死ぬことを願っていた。
あの頃の私は、フワフワとしていて、夢を見ているときのような、現実味のない感覚で生きていた。
落ち着いてくると、あれは自分であって自分でないような不思議な感覚に襲われた。
私のことを殺そうとする私がいる…。
恐ろしかった。
この頃、入眠障害、途中覚醒、早朝覚醒という酷い不眠症で1日トータル3時間くらいしか睡眠時間がないことに加えて、寝ると必ず悪夢を見るようになった。
頭と体の疲れを取りたいのに、寝たくても眠れない。やっと眠れてもそのわずかな睡眠時間は、悪夢になって私を苦しめた。
夢の中はかなりリアルだった。食べれば味がわかるし、風が吹けば服が擦れる。階段を登れば足の裏の感覚がよくわかるのだ。
そのリアルな夢の中で、私は追い回されたり、殺されそうになったり、友人を殺したりするのだ。その非常なリアルさは、私をとても怖がらせた。
友達を拳銃で殺した時の、手の感覚…。
目の前で生き絶えていく友人を見て、目を逸らした。青々と草が茂る土手で、彼女は車の中で、外は風が吹いていた。
夢は短いが、非常に内容が濃く、リアルだ。起きた時は寝る前よりずっと疲れていた。
現実世界の私は夢を見ているようにフワフワしているのに、夢を見ている私は現実のことのようにリアルな体感をしている。
それは、起きた時、夢か現実かわからなくさせた。
起きると、気が狂って大泣きした。
しかも最悪なことに、再び寝ると、続きを見るのだ…。
これが、耐え難かった。
1日トータルで3時間くらいしか眠れないのに、疲れているから寝たいと思っても悪夢を見るので寝たくない。
意地でも寝ないと思っても、落ちるように寝てしまい、結局悪夢をみる。
…友達を拳銃で殺したあと、私は泣いて震えながら精神科に電話をして予約を入れた。予約日は一週間も先だった…。
12-①〜アダルトチルドレン〜(完璧主義)へ続く