11🦋 その8 私の生い立ち・人生 〜抑うつ状態〜
私は、幸いな事にうつ病までには発展しなかったが「抑うつ状態」なるものを経験した。あれはつらい…。二度と経験したくない。
この時はまだうつ状態になる手前。
彼は、私がどれだけお金の面で不安に思っているのか、そしてどれほど情緒不安定をなしている状態なのかを、何故かなかなか分かってくれなかった(お気楽だからである)が、話し合いの最中に過呼吸になったり、いつもと明らかに異なる情緒面を見て「そんなに悩んでるなんて知らなかった」そう言った。
家にいる時、眠れないし、食事もあまり喉を通らないし、泣いてばかりいることは伝えてあった。
それでも彼にはよくわからなかったのだ。
全くお気楽なものである。
価値観が違いすぎるのだ。
破産するなら一人でしてくれ!!
ではなぜ結婚を決めたのかと問われても自分にもよくわからん。笑
穏やかで優しいところが好きだったが、こんなにもお金にルーズだとは知らなかった…。
ま、とにかく、私の状態を見た彼は、状況を把握したらしい。5月下旬に予定している両家の顔合わせを一旦中止にしたいという私の申し出を、やっと受け入れた。
しかし、困っているのに、悩んでいるのに、こんなにも心と体を壊してからでなければきづいてもらえないだなんて、と言って彼を責めた。
もう少し色々な面でしっかりしてほしいと訴えた。ごめんと言っていた。
次の日、彼から話したい事があると電話があった。
内容は大まかにいうとこうだ。ちなみに彼は電話の初めから泣きながら話している。
「今までしっかりしてなくてごめん。これからは俺はもうしっかりするから、大丈夫だから、ちゃんと支えるから、心配するな。きちんと結婚に向けて話を進めていこう。」
しかし、この内容は私の心にちっとも入ってこなかった。むしろ、彼の言葉にショックを受ける事になる。彼の電話の内容をもう少し詳しく説明すると、こうだ。
「今まで俺がしっかりしてなかったのは、君にあれこれ批判・否定をされて、俺は自分が我慢すればいいんだと思うようになったからだ。そうして我慢していくうちに、自分が自分でなくなっていったように思う。だからしっかりしてなかった。先に心を壊してたのは、俺の方だったから。ごめん、ごめんな。」
その時の私には全く理解できなかった。
発狂したみたいになった。
電話を耳元に当てることもできなくなってひたすら大声で泣いた。
私はこんなにも悩んでいたのに、悪かったのは私だった…?! え…?? 私が悪かったの??
…そうか、約束を守らないとかいってどうにか守らせようと何度も言ったり、金の勘定をしないからと言って怒ったりするのは、彼の心を壊してたんだ…!! そうなんだ!!
他にも私は自分の価値観を押し付けようとした事が数え切れないほどたくさんある!!
悪いのは、彼じゃない。私だった!!
ーー情緒不安定から、抑うつ状態へと変化した。今思えばお互い悪いのだか、元々情緒不安定だったからか彼の言葉を全部真に受けてしまった結果だった。
それからの私は、ひたすら自分を責めた。私はなんて傲慢な人間なんだろうか。自分の価値観を絶対的に思い込んで押し付け彼を傷つけた。なんて最低な人間なんだ…。
うつになると、気持ちが落ち込むばかりでなく、体まで変化が起こるのですね…。
まず、呼吸がまともに出来ない。酷く呼吸が浅いのだ。姿勢を正すと胸が圧迫され潰れる感じて息が吸えなくなり、呼吸が止まる。いつも背中が丸まっていた。
足も動かない。まるで足が鉛でできたようになって、重たくて動かないのだ。驚くほどに歩けない。
そもそも歩くどころか立っていることさえままならない。目眩がして、息が上がって、立ち続ける事が困難だった。
食欲はなくほとんど食べない。スポーツドリンクだけ飲んで、1日の間のほとんどをベッドの上で過ごした。すぐに痩せた。
そして眠れない。入眠障害、途中覚醒、早朝覚醒。酷いものだった。1日トータルでも3時間くらいしか睡眠を取れていなかった。目の下の濃いクマはとっくの昔からできていた。
他にも頭痛、下痢と便秘、耳鳴り、倦怠感…それ以外にも身体症状はあった。
それに加えて情緒面が酷い。とにかく自責の念に駆られている。私はなんて傲慢な人間なんだ…。と、そればかり考えては泣いてばかりいた。
…私は、いつも正しくありたかった。
努力ができて、誠実さを重んじる。それが私だと思って、不良をやめた時から強く正義感を持って生きてきたつもりだった。
それなのに…。誠実・正義などと言っておきながら彼を、彼の心を壊してたんだ。まったく気がつかなかった…。
私は、最低だ…。
自分としては一番やってはいけないこと(人を傷つけること)をやっていた。
なんて最低な人間なんだと自分を責めに責めた。
すると次第に、消えたい、と思うようになっていった。
消えてしまいたいと彼に言うと、そんなこと誰も望まないし悲しくなるだけだよ、そんなこと言わないで、と言われる。
消えたいという思いは消せなかった。しかし口にすると、言うなと言われる。それからは独り、消えることをただ願った。
悲しいと言われるなら、私を知る人の記憶からも一緒に消えてしまえばいい。記憶がなくなれば誰も悲しまない。独り願い続けた。
次第に「消えたい」という思いは、具体的になって「死にたい」に変わっていった。
死にたい
死にたい
いつも願っていた。
こんな人間は、許されない。人を傷つけるような人間は、許されない。死んだほうがいい。死ぬことも許されないだろうか。死にたい。
反面こうも思っていた。
許してほしい。あなたを傷つけた私を、許してほしい。
しかし…
「いや、許されない。こんな人間は許されない!!」
このループで日々を過ごしていた。
完全におかしくなっていた。
私の人生9 〜自殺企図〜へ続く